歯科治療がどんなに進歩しても、
ご自身の歯に勝るものはありません
薬やワクチンにも作用、副作用があるように、インプラント、入れ歯ともにメリット、デメリット、リスクがあり、 100%メリットしかないという歯科治療は存在しません。
歯科治療がどんなに進歩しても、ご自身の歯に勝るものはありません。
そのためいろいろなことを考えて治療に臨む必要があります。
どの様な方法で治療を進めるかを検討するに際しては、現状のことももちろんですが、将来的な問題(場合によっては要介護になった時)も視野に入れておく必要もあります。
口腔内の状態は人それぞれ、患者さんご自身が何を重要視されるかで、治療の選択が変わります。
また欠損(歯の抜けた)の状況では全てにインプラントを用いるとリスクが上がることが懸念される場合は、義歯とインプラントを 組み合わせた治療方法も存在します。
従って、一概に義歯がいいとかインプラントがいいなどは、言い切ることが出来ませんし、歯科医院によっても考え方がかなり変わるところがあると思われます。
以下に一般的なインプラント、義歯治療のメリット、デメリット、リスクを記載します。
それを踏まえて当院の考え方を記載します。
インプラント | 義歯 | |
メリット |
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デメリット |
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リスク |
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私見
治療方法を選択する場合には、将来的なリスクをどう考えるかが大切です。
まずは年齢に関してですが、現在は人生100年時代といわれます。
仮に要介護の期間が10年間あったとすれば、インプラント入れている場合にメインテナンスやトラブルの対応など大きな問題が出ます。
高齢の方はお身体の問題も絡んできますのでインプラントを選択されることは、あまりお勧めはできません。
リスク回避という観点に立てば、義歯の方が優れていると思われます。
次に欠損された歯数が多い方は、全てをインプラントで治療される場合は、必要な本数が多くなることが予想されます。
つまりその分、リスクや費用が上がります。
まずしっかりと入れ歯を製作する方が、費用・将来的なリスクの低減にはつながると考えます。
1本~3本程度の欠損で他の歯の状況に問題がなければ、インプラントは有利です。
逆に小型の義歯を製作する場合は、安定面や取り扱いに問題が出る場合もあります。
ただし治すべき治療部位以外の歯にも問題を抱えている場合は、将来的に次々にインプラントの本数が増える可能性が出てきます。
欠損が大きい場合、義歯とインプラントを両方利用した方法もあります。(義歯の欠点である安定感を少数本のインプラントで補完する)
口腔内の状況をよく調べて、広い視野そして長期的な視点から、セカンドオピニオンも含めいろいろな角度から考えて、ご自身に合う方法を選び取る必要があります。
当院のインプラントと入れ歯についての考え方
インプラントは義歯にない魅力が多くあります。
入れ歯のように取り外ししなくてよく自分の歯に近い感覚で使えます。
そのため小数本程度であればインプラントの方が入れ歯よりメリットが高いと言えます。
しかし、数が多くなれば身体、経済的にも負担はとても多くなります。
どうしてもインプラント治療でないと患者様のご要望にはお答えできないこともありますが、現在は、一般の入れ歯とインプラントの中間として精密義歯を行っております。
インプラントは本数が多くなるにつれ、メインテナンスの問題も入れ歯とは比べ物にならないくらい大きくなるため、特に総義歯でお困りの方については将来介護が必要になった時などを考えた場合、すべての歯をインプラントで治療されるより、まずこの精密義歯を試されるのをお勧めしています。
自分の得手、不得手から治療方法を患者様に提案するのではなく、患者様の現状に合った治療方法(それが精密義歯の場合もありますし、インプラントの場合もあります)や将来の生活状況を一緒に考え、ご説明・ご相談させていただききたいと思います。
インプラント関連の機材
当院では、デンツプライ社製アストラテックEV・プライムテーパー、ストローマン社製BLT、バイオホライゾンを症例に応じて使用しています。